沙波羅 或珂の囁き。

『創作』をメインに日々の出来事を語って参ります。

【もののけ姫の正体】

 


www.youtube.com

 

 

 ご存じの方はご存じのように、

当該「映画」のタイトルって本来『もののけ姫』ではなく

【アシタカ聶記(せっき)】なんですよね……('A`)

だから『サン』は主人公じゃないので

始まって30分以上出て来ませんし、

いざ出て来ても石琵琶にあっさり撃ち落とされて

エボシ御前に『完敗』してるわけです。

コレっておよそ【主人公のムーブ】じゃありません……('A`)

 あくまで「脇役」、「オマケ」、

なんなら『マスコット』だからやらされる

【引き立て役】なのです……('A`)

 

 でもソレじゃ【売れない】という理由から

宮崎 駿の目の上のたんこぶである

鈴木 敏夫プロデューサーに無理矢理

【改題】させられました。

【商業的】には正にソレが正しかったのでしょう、

『原題(アシタカ聶記)』のままじゃ

興行収入が1/3以下に落ち込んだと云われていますし

宮崎 駿という人間は『アニメに関しては天才』ですが

悲しいかな、【商売人としての才能】が皆無だったのです……('A`)

 

 以上前置きとなりますが、では表題の

もののけ姫』とは一体誰の事なのか?

 サンじゃないならもうお解りでしょう?

 そう、

 

 

 

↑なんですよ……('A`)

 作中どう考えても主人公のアシタカ君は

モロとの絡みの方が多いですし、

彼の『行動』や『精神』に強い影響を与えているのは

明らかに彼女(モロ)の方です。

 他に【キャラクター】としてもその『掘り下げ』が

エボシ御前並みに【深い】ですし、

コレは明らかにサンには無い強い『特色』です。

 

 そもそも何故『モロ』は【危険な場所】と化した

もののけの森にずっと住んでいるのでしょうか?

 恐ろしく頭の良い狼なのだから

そんな場所はとっとと捨てて

『別の場所』に住めば良いんです。

 でもそうせずに身の危険を冒してまで

わざわざずっとそこに住み続けている。

 その理由は彼女が住む『石の祠』にあって、

ソレは【嘗て人間が彼女の為に造ったモノ】だからです。

 

 

 

 だから【人間全てを憎む事が出来ず】

また敵対しても『人間を信じている』のです。

だから人間が攻め込んできたら「応戦」はしますが

【自分から人間の集落に攻め込む事はしない】

 彼女なら本来出来る筈なんですよ、

アレだけ頭が良くて統率力もある

『狼の長』ならば。

 なんならエボシ御前も子供の内に殺してしまえば良かったんです。

(あ、一応「倭寇」に攫われたっていう裏設定は知ってます……('A`)

 でもそれは決してしない、

何なら【捨てられた人間の赤ん坊(サン)を育ててしまっている】

もうそう考えると『もののけ姫の正体』とは

モロ以外考えられなくなるんですよね。

 宮崎 駿は嫌々ながらも鈴木 敏夫プロデューサーの指示には従いますが

でもこうやってパッと見解らない所で

【意趣返し】をするのがジブリの恒例となっております。

 おそらくあのジ〇イは

 

『わかった『もののけ姫』でやってやる。

だがその『もののけ姫』はおまえ達が期待する

サンじゃなくてモロの方だぞ?

解るヤツには解る。ざまあみやがれ』

 

と一人ほくそ笑んでいたのではないでしょうか……?('A`)

 もう「冒頭」でアシタカ君と「兄様と慕ってくる娘」との間に

【肉体関係がある】という事を暗喩的に仕込む男だから

寧ろこちらの方が『自然』という感じがします。

 

 そして最後にもう一つ、モロはラスト近辺で

最後の力を振り絞ってエボシ御前の片腕を噛み千切って

息絶えますが、あのモロがこの乾坤一擲の一撃を

【外す】というのがちょっと考えられないのですね。

 確かエボシ御前は「反応」出来てなかったように記憶してますし

そもそもその『体積比(大きさ)』からエボシ御前は

『上半身丸ごと』噛み千切られてないとオカシイわけです。

 となるとモロは『決着はつける』が

【エボシ御前を殺す気は無かった】のではないでしょうか?

 優秀な指導者であるエボシ御前を喪ってしまったら

『たたら場の集落』は壊滅してしまいますし、

ジゴ坊背景の『権力』が周囲一帯を支配して

より悲惨な状況となるでしょう。

 或いは永い年月を生きるモロだからこそ、

エボシ御前の事は「幼少」の頃から見て知っていたのかも知れません、

当然、「ハンセン病の村人」を保護して手厚く介護している事も

知っているでしょう。

 故に【殺せなかった】コレは【サンとエボシが実の親子】

という【裏設定】にも繋がっていきます。

 数多いるもののけの中で、

唯一【人間を愛していた狼(もののけ)】

もののけだけではなく『人間』の事まで考えて

最後まで誇り高く生きた女王。

 そう考えると『もののけ姫』とは、

やはりモロの事だったのだと

ワタシはそう想えるのです――。